社長の息子と恋



…直哉先輩の様子から、全然あたしの事好きな風には見えなくて、あたしはただ曖昧に笑っただけだった。


「ま!告白しちゃったし~そろそろ授業終わるし帰ろ!!」


シュタ!と立っていつものようににっこり笑って言った。


あぁ、直哉先輩は笑顔で気持ちを隠してるんだ。


妙に納得しながらあたしも立ち上がった。
直哉先輩の優しい横顔をチラッと見て、あたしまで優しい気持ちになった。


ありがとう、直哉先輩。


少し前を歩く直哉先輩の右側をあたしはさっきよりも軽い足取りで歩いた。


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