社長の息子と恋
「………そう。
心吾がそうなら俺が心亜ちゃんもらってもいいんだ?
本気で狙ってもいいって事?」
俺は少し直哉を睨むと、椅子に深く座って低い声で言った。
『…勝手にしろ。』
「分かった。」
それだけ言うと、教室を出て行った直哉を見て俺は頭をかいた。
…あいつ、珍しく怒ってた。
俺が本当の気持ちを言わねぇから?
制服の胸ポケットでブルブル震える携帯を開いてメールを見た後俺は目をつむって深いため息を吐いた。
“今日、心亜と帰る前に少しだけ話す時間をください。
美華。”