社長の息子と恋



俺は静かな教室の中でつっ立ったままため息を吐いた。


今日は何回もため息を吐いてるな…。


疲れた気持ちのまま昇降口に向かうと、途中で心亜の後ろ姿を見つけた。


『おい心亜、なんでこんな所に…………。』


声をかけようとした瞬間、心亜の後ろ姿がビクッとして何かから慌てて離れてこちらを見た。
その瞬間、俺はすぐ近くに直哉の姿をとらえた。


心亜の表情からして、抱き合っていたかキスをしていたんだろう――…。


『…悪い、邪魔したな。』


俺はフイッとその場から視線を反らして離れた。


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