24/7~キミを想う~【完結】
「……――ユーヤ!!」
ようやく校門の前に辿り着いたあたしは大声でユーヤの名前を呼んだ。
誰もいない校門の前で一人壁に背中を預けて俯いていたユーヤはゆっくりと顔を上げた。
「……待っててよかった。やっぱり来てくれた」
「すごい濡れてる……。何で傘ささないのよ!」
「風で壊れちゃったんです。先輩とアイアイ傘できなくなっちゃいましたね。ごめんなさい」
ユーヤは手に持っているビニール傘を見つめ、ふっと笑った。
「何で謝るのよ……謝るのはあたしのほうなのに……」
アイアイ傘なんていつだってできるんだから。
こんな時でも冗談を言ってあたしに気を遣うユーヤを見てあたしは目頭が熱くなった。