24/7~キミを想う~【完結】
「アリサに二度と近付かないっていうことを約束に優也から金を巻き上げた。でもあいつは一度だって俺にはむかおうとしなかった。それが当たり前のように俺に金を渡し続けたんだ」
「……いくら?ユーヤからいくら巻き上げたの……」
「わかんねぇよ。20か……30か……もっとかもしれない」
毎日寝る間も惜しみ汗水垂らして働き続けていたんだろう。
少しこけたユーヤの頬を思い出して、鼻の奥がツンっと痛んだ。
「俺があいつを嫌っていたように、あいつも俺のことを嫌ってると思ってた。でも……」
そこまで言い掛けると、陽はポケットの中から何かを取り出してあたしに差し出した。
「……写真?」
「あぁ……。俺と優也が映ってる」
四つ折りにされた写真の中に映る幼き頃の陽とユーヤ。
二人は肩を組み、眩しいほどの笑顔をレンズに向けていた。