24/7~キミを想う~【完結】

「これ……陽の?」


「違う。あいつが入院する時、保険証探してたら財布の中からこれを見つけた」


その写真を見たことは一度もなかった。


ユーヤにとってこの写真は常に持ち歩いていたい位大切なものだったんだろう。


「俺はあいつとの写真を全部破いて捨てた。それなのにあいつはずっとこれを……」


「それだけ……ユーヤにとって陽は大切な存在だったんじゃない?」


「……あいつも辛い思いをしたのに勝手な誤解をして……俺はあいつを……」


小刻みに震える陽の体。


泣いているのかもしれない。


あたしはこの時、陽が泣く姿を初めて見た。


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