24/7~キミを想う~【完結】
新しい生活
両親が九州に旅立ち、あたしは大学近くの1DKのアパートに引っ越した。
「何かあったらすぐに連絡するのよ?」
最後の最後まで母はあたしを心配していた。
「大丈夫だよ」
そう言ったものの、初めての一人暮らしは予想以上に大変だった。
今までやったことのない家事。
最初は洗濯機の回し方すら分からず、愕然とした。
でも数週間経つと、少しづつ一人だけの生活にも慣れてきた。
それにアヤが度々遊びに来てくれたこともあって、少しだけ寂しさは紛れた。
「この前、店長と二人でご飯食べに行ったんだ」
遠慮がちにそう言っていたアヤに素直に「よかったね」と言える余裕も生まれた。
鼻ピアスを付けたチャラチャラした柊さんは意外にも店長に期待をかけられているらしい。
みんな少しづつ、確実に動き出していた。