24/7~キミを想う~【完結】
別れの代償
この日、陽はいつにもまして機嫌が悪かった。
今日もまた面接までこぎつけることが出来なかったんだろう。
テーブルの上には破かれた履歴書が散乱していた。
「話ってなんだよ」
「あのね、実は……」
火に油を注ぐと分かっていながらあたしは陽に全てを打ち明けた。
「……妊娠?」
「うん……。まだ調べてないんだけど、一人じゃ寂しいし検査キッド一緒に買いに行ってくれない?」
「一人で行けよ。俺は疲れてるんだ」
陽は興味なさげにそう言うとベッドに横になりあたしに背を向けた。
「陽……お願いだから話だけでも聞いてよ?」
「聞いてる。で、お前もしデキてたらどうすんの?産もうだなんて考えてないよな?」
陽は渋々顔だけをあたしに向け冷やかにそう言った。