電波に乗って


『勉強のことなら無理。』


『マチに勉強聞くか、アホ。』


画面の文字を睨み、再び布団に入った。


カジよりは私の方が賢いのに。


『寝る』


『あー、ごめんごめん。

怒るなって。』


カジの謝る顔が目に浮かぶ。


思わず、にやける。


『……で、相談って何?』


その後、テンポ良く続いていたメールのやり取りが途切れた。


「なんや、カジのやつ……」


私は淡いピンクの携帯をパタンと閉じ、再び眠りにつこうとした。


ベッドの明かりを消そうと、スイッチに手を伸ばした時。


私の携帯が、鳴り響いた。


From カジ


ボタンに指を置き、メールを開く。


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