電波に乗って
ガチャリとリビングのドアを開け朝ごはんの並ぶテーブルに座る。
「全く、なに?その顔は」
お母さんが私の顔を見て、ため息をついた。
正確には、私たちの、顔を見て。
「2人とも、目の下にクマできとるやん」
「「不眠症やから」」
私は隣に座っている彼を見た。
目が合い、私たちはニヤリと笑いあう。
「双子って、すごいわ」
お母さんは私たちを交互に見た。
私は昨日のことを思い出す。
決して結ばれることのない、私たちの恋。
2人の想いは、
電波に乗って……。
end