聖夜の軌跡
「お母様!それにお父様もっ。どうして?」
お母様に抱きつきながら訊ねてみる。
「どうしてって…クリスマスだからよ?」
クスッと笑うお母様。
「ほら、プレゼントだぞ?」
そう言ってお父様がくれたのは、宝石のついたネックレス。
「あっ…ありがとうお父様」
別に嬉しいわけじゃないけどねっ。綺麗だけど。
「秀君も、ごめんなさいね?いつも碧を任せっぱなしで…」
「別に気にしないでください。僕は碧様が好きですので」
……あっさりと。分かってるけど!意味が違うって。
「べっ…別にそんな事言わなくてもいいのにっ!そんなこと言われてもあたし嬉しくないんだからね!」