聖夜の軌跡
この真っ白い部屋と同じ色なのに、違う色に思える。

「碧っ!!」


後ろから聞こえた秀の声。

「秀?もう帰ってきたんだ」

「何やってるんだ。風邪ひくだろ」

走って帰ってきたらしい秀。もちろん家の中を、だけど。


「顔赤い」

そう言われてドキっとなる。

「え…別にそんなことない…」

確かにボーっとするけど。

ふわっと包み込まれて、軽々と持ち上げられる。


「秀っ!?大丈夫って言って…」

言い終わる前にベッドに優しく降ろされた。

秀の表情が硬い……。
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