新しい関係〜New Color〜《短》
脱げよ
ドンドンッ!
現在の時刻は午前一時。
私は右手に黄色いビニール袋を持って、ドアを乱暴に殴った。
非常識なのは百も承知で。
「うるせえ!……って眞子(マコ)かよ」
勢いよく開けられたドアから出てきたのは見慣れた顔の男。
寝るところだったんだろう。
スウェットのズボンに長袖のTシャツというラフな服装だった。
その姿を見て少し悪い気もしたけど、そんな気持ちはすぐに消し去った。
今の私にはやるべきことがあるんだから。
「昴(スバル)にお願いがあるの」
「ん?なんだ?」
自分でも驚くくらいの深刻な声に、昴の眉間に皺がよる。
私はふーっと息をはいたあと、昴の目をじっと見つめながら。
「今すぐに髪を染めてほしいの」
そう、お願いした。