新しい関係〜New Color〜《短》

シャワーが流れる音。
ヘアカラーのつんとした匂い。
そして、私の髪を優しく触る昴の手。

「シャワーの温度大丈夫か?」

「……うん」

いつも聞いてる昴の声がまるで違う男の声みたいに聞こえる。

何度も触れられたことがある昴の手が違う男の手に感じる。


人間は五感のうち一つを無くすと、ほかの感覚が敏感になるって言うけど……

いまの私はまさにその状態だ。

その変な感覚に頭がクラクラする。

心臓の鼓動がやたらと早い。


そういえば私、Tシャツ一枚だっけ。

浴槽の中で体育座りをしているせいでかなりまくれあがっている。

もしかしたら昴には下着が見えているかもしれない。

私は少しだけ腰を浮かして、Tシャツの裾を出来るだけ引っ張った。
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