新しい関係〜New Color〜《短》

床に打ち付けてしまった膝が痛む。
だけどそこ以外は全く痛みを感じない。

「……いってえー!」

そんな私の代わりに昴の痛そうな声が聞こえた。


「ご、ごめん! 大丈夫!?」

急いで昴から離れようとした私。

だけどそれは背中にしっかりと回された両腕によって止められた。


「お前な……びっくりさせんなよ。怪我ないか?」

私の顔を真剣な瞳で覗き込む昴。

その顔があまりにも近くて、心臓が跳びはねる。

私は声も出せなくなって、首を小さく縦にふった。


高鳴る鼓動。
真剣な昴の瞳。
背中には温かい腕と濡れた髪の感触。

床は出しっぱなしのシャワーのせいでびしょ濡れ。

なんだか……全てがすごくいやらしい雰囲気を醸し出していた。
< 12 / 22 >

この作品をシェア

pagetop