新しい関係〜New Color〜《短》
濡れた髪の水分をTシャツが吸い込んでいく。
そのせいで背中が少し冷たい。
だけど、そんな事も気にならないくらい私は欲情していた。
昴に。大事な親友に。
「なあ……離れねえの?」
そんな気なんてないくせに。
離れてほしいなら今すぐ腕から力を抜いてよ。
そんな瞳で私を見ないでよ。
昴ってこんなにずるい男だったんだ。
知らなかったよ。
私はなにも言わずにただ、昴の瞳をじっと見続けた。
ずるい男なら……この意味わかるでしょ?
そんな気持ちを込めて。
しばらく見つめ合った私達。
ふいに昴の口角が上がった。
「ずるい女だな。
そんな瞳、誰に仕込まれたんだよ?」
ずるいのはアンタでしょ?
だけどそんな台詞を言う暇もなかった。
私の唇は、このずるい男に奪われたから。