新しい関係〜New Color〜《短》
黒か白か
「んー…我ながら綺麗に染めたな」
私の髪に送られていた風の音がやむ。
昴は満足そうな声を出して、私の髪を触った。
あの激しいキスをしたあと。
私は、そのまま……だと思っていた。
なのに昴は私をおいてバスルームから出ると、自分は新しい服に着替えてきて、私にはワンピースとバスタオルを一枚渡してきた。
そして“さっさと着替えろ。風邪引くぞ”なんて台詞をはいた後、またバスルームに私を置き去りにした。
私は、期待してたのは自分だけかとか。
昴にとっては遊びだったのかとか。
あのキスはなんだったのかとか。
色々な気持ちを抱えたままワンピースに着替えた。
「ほらっ! 見てみろよ。すげえいい色じゃね?」
さっきのキスは嘘だったんじゃないか、と思ってしまうほど普通に接してくる昴。
渡された手鏡を覗くと、そこには茶髪の私がうつっていた。