新しい関係〜New Color〜《短》

私は昔からずっと茶髪だった。

それが自分でも一番似合うと思っていたし、友達からもそう言われていたから。

だけどあの男が“女の子は黒髪が一番だよ”なんて言うから、付き合ってすぐに私は髪を真っ黒にした。


もちろん友達からは大不評。

でもあの男だけは褒めてくれた。

ベッドの中で何回も撫でてくれた。

綺麗だ、可愛いって。

私はその言葉のためだけに、似合わない黒髪を一年間も続けてきた。

言ってしまえば、この黒はあの男のための色。


そこまで考えた瞬間。

私はメイクをなおして、お気に入りのワンピースをきた。

そしてそのまま財布だけを握って家から飛び出した。
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