新しい関係〜New Color〜《短》

昴は立ち上がると、大きい鞄の中を漁り始めた。

鞄の中からは首から上の部分しかないマネキンがちらっと見える。

うわあ。なんだかグロテスク。
よくあんなの鞄に入れてられるよね。
私なら絶対無理だわ。


「やべっ。ケープ忘れたわ」

「えっ?マジ?どうするの?」

自分の事なのに、なぜか他人事な私。

そんな私の態度に昴はまた眉間に皺を寄せる。


「どうするのって……お前こそ髪染めるときにその服はないだろ?」

そう眉間に皺を寄せたまま昴が指差した私の洋服は、深いグレーのワンピース。

胸元も結構ざっくり開いてて、体のラインもはっきり出る。


確かに髪を染めるときに着る服じゃない。

だけど……家を出るとき、このワンピース以外は目に入らなかったんだ。
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