新しい関係〜New Color〜《短》
バスルーム
オレンジ色の光に照らされたバスルーム。
鏡には頭にラップを巻いて、膝上十五センチの白いTシャツを着た私がうつっている。
「眞子。さっさと浴槽入れ」
昴はスウェットのズボンを膝までまくりあげていた。
私は空の浴槽に入って頭だけを外に出す。
まるで本当の美容室で髪を洗ってもらうみたいな体勢だ。
昴が頭に巻かれたラップを取ると、ヘアカラーを塗られた髪がやっと酸素に触れた。
ビニール手袋をはめた昴の手が、私の髪の中まで空気が入るように軽くほぐす。
こうすると染まりがよくなるらしい。
「じゃあ流すか。目、閉じてろよ」
「ん、わかった」
瞼を閉じると、私の世界は真っ暗闇に包まれた。