わたしはまた恋をする ~年下の彼~
「離して!!」
私が抵抗しようとすると、男は壁に私の身体を打ちつけて笑った。
「別に、ここでしたっていいんだぜ?ホテル代が浮くし」
怖かった。
何が何だかわからなくて、膝がガクガクと震えて。
それでも逃げ出そうと身体をよじると、思いっきり頬を殴られて、
その拍子に後ろの壁に頭をぶつけて、
気が遠くなった。
気を失う瞬間に、誰かが殴られるような鈍い音がした。
私の身体が誰かに強く引き寄せられて、抱きしめられた。
そして、いるはずのない人の声を聞いたような気がして、
涙が頬を伝った。
『汚い手で、亜矢に触るんじゃねぇ』