わたしはまた恋をする ~年下の彼~


「や、やめてくれ…!頼む!」


男が情けない声をあげて懇願しても、


俺の怒りは収まらなかった。


収まる訳がなかった。


「悠斗!もういい、止めろ!」


俺の腕を掴んでそう叫んだのは優太だった。


「馬鹿野郎!死んじまうぞ!手加減しろって!」


俺は怒りに震える拳を握りしめて、


冷たく男を見下ろした。


「ねーちゃん…!!」


優太は亜矢に駆け寄る。


「…悠斗!救急車呼べ!」


心臓が止まりそうになる程の衝撃に、


目眩がした。



< 203 / 326 >

この作品をシェア

pagetop