わたしはまた恋をする ~年下の彼~


麻美ちゃんは、私を睨んで叫んだ。


「昔何があったのかなんて知らない。
でも、ハルはいつもあなたを気にかけて、いつもあなたの事考えてる…!

あなたの知らない所で、あなたに見つからないように!

それが私をどんなに傷つけてるかあなたにわかる!?」



私はもう、そこにいる事が出来なかった。


麻美ちゃんの言葉を半分以上理解出来ないまま、

私は、逃げ出した。


土砂降りの雨の中をやみくもに傘もささずに飛び出した時、

誰かにぶつかって体がよろける。


「ごめん…なさ…いっ」

搾り出すように言った私の頭の上から聞こえた、

懐かしい声。







「…亜矢、か…?」


< 261 / 326 >

この作品をシェア

pagetop