わたしはまた恋をする ~年下の彼~
ずっと、ずっと、
逢いたかった人の声。
私の濡れた体に打ち付けている雨が止んだ感触がした。
彼は自分の傘を、すぐに私に差し掛けていた。
「亜矢…なんで…俺んちから出て来るんだ…?」
彼の戸惑う声。
どうしよう…体が、動かない…。
「亜矢ちゃん!帰るなら傘!持って行って…!」
麻美ちゃんのお母さんが玄関から出て来た。
「…悠斗?やっぱりあなた達知り合いなの?」
悠斗君が少しためらったように間を開けて…私は体を強張らせた。
「…あぁ」
麻美ちゃんのお母さんは、悠斗君に傘を渡す。
「そう…。なら、もう暗いし一人じゃ心配だから、送ってあげなさい」