わたしはまた恋をする ~年下の彼~
家に戻ると、心配そうに母さんが玄関に出てきた。
「ずいぶん遅かったわね…?ちゃんと亜矢ちゃんを送ってあげた?」
「…ちゃんと送ったよ」
「そう…。制服、濡れちゃたのね。すぐにお風呂に入りなさい。風邪引いちゃうから」
母さんはそう言ってリビングに戻ろうとした。
「…母さん?…なんで、亜矢が俺の知り合いだって分かったんだ?」
亜矢は多分、この家に俺がいる事を知らないで来たんだと思った。それに、麻美と会っていたはずなのに。
「…麻美が居なかったから、リビングで亜矢ちゃんと話したの。その時、飾ってあった悠斗の写真を見て、ずいぶん驚いてたみたいだったから」