彼は教育実習生


「イタ…」
動揺してたのか手を滑らせて包丁で左手の人差し指を切ってしまった。

「大丈夫! マコ!!」
サキが思いのほか大きな声で叫ぶ。

恥ずかしい。みんなに聞こえるじゃない。

前で作業していた男性が私の手を取ると、パクっと口に入れて舐めた。
私は顔が真っ赤になって「大丈夫です」と慌てて後ずさり。

すると後ろから私の右手を掴んで引く人が。

サキ???

振り向いて私は驚いた。それは少し怒りを顔に出した先生だったんだ。

「センセイ…」

「オレがやる」と言うと強引に引っ張って、救急箱のある簡易テントまで戻って来た。

「あ…、あの…、あの…」
私は心臓のドキドキが止まらない。

先生をそっと見上げた。
「オレの負け。お前がアイツに触られてるのを見たら我慢出来なかった」

「工藤の罠にハマるのも悔しくて、平然を保っていたけど、もうダメだ」

「もう他のヤツに触らせないで。そんな格好して、うるんだ目をして他のヤツを見上げないで。ムカつく!!」

「先生それって…
どういう…」

最後まで言わせて貰えず

先生は…







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