彼は教育実習生
「私はいません」とドキドキを抑えつつ、やっと声に出して答えた。
「いそうなのにね」と笑って先生に言われると、まるで私の事なんて全く眼中にないよと言われてるみたいで悲しかった。
私の雰囲気を読み取ったのか?サキがつかさず「マコはかわいいのに彼氏作らないんですよぉ。先生、マコなんてどうですか?」とまるで茶化すように、有り得ない爆弾発言をして来た。
でも、これはきっとサキの優しさ。私が固まってしまったので、場の空気を変えようとしてくれた事。
先生も分かってるみたいで、「佐伯さんはかわいいよね。でも私は仮でも先生だからね、考えちゃいけないよね」
「"この淫乱教師~!!"て山崎先生にほうき持って追いかけられちゃうよ」と完全にお笑い方面に話を持って行ってしまった。
私は2人の優しさに心が暖かくなり、先生が「かわいい」て言ってくれた事だけで満足だと思い込み、いつもみたいに私も笑って話に加わった。