【短編】寒い冬の詩
小さな手袋
あたしはコートのポケットに手を突っ込む。
寒いよ・・・
雪が積もった地面を歩いて行くと・・・
手袋が落ちていた。
小さな小さな・・・可愛い手袋だった。
2つとも赤色のひもで結ばれていた。
片一方は青。
もう片一方は黄色。
これを落とした赤ちゃんは、冷たい手をしているんだろう・・・
かわいそうに・・・
手が凍りそうなのをこらえているのだろうか。
そう思うと、悲しくなってきた。
あたしは手袋を拾い上げると、近くにあったポストの上に置いた。
そして空を見上げる・・・
降ってくる雪を睨む。
そしてまた、歩きだした・・・