意地悪王子とお姫様
あたしは、ひかるのことをよく知ってる。
ひかるは、日頃から口が悪いしヤンキーとつるんでたりしてた時期もあった。
だからこそ、心のどこかで怖がってる自分がいた。
「……ひ、ひかるちゃん」
改めて呼ぶ時、あたしはいつもちゃん付けだ。
ひかるが振り返る。
「あ、やっと来た」
そう言って、笑った。
「…どうしたの?」
ひかるの笑顔を見て、どこか安心したあたし。
「ねぇ、雨芽……。黒木は、やめな?」
ひかるの笑顔が切なく見える。
「なんで?……なんで、ひかるは咲貴君のことやめろって言うの?」
勇気を出して聞いてみた。
やっぱり、咲貴君が言ってたことは本当なの…?