意地悪王子とお姫様
「…なに、どうした?」
黒木が馬鹿にする。
こいつ…、とことん性悪だなっ!!
そして、私は頭が狂ってしまったらしい。
黒木にキスをしていた。
「…面白いね、お前」
黒木がニヤリと笑う。
胸が熱くなった。
もう、どうにでもなれと思った。
何回も…何回も…、キスを交わした。
―――――――――…………
「…もう…、もう、大丈夫だよ!」
あたしが苦笑いで言った。
「……雨芽?」
「だ、大丈夫…」
もう、良かった。
あたしもひかるも、無理してるはず。
ひかるの顔が切なくて、見ていられなくなった。
そして、あたしが知らない間に咲貴君とひかるにこんな事があったなんて。