意地悪王子とお姫様
「……咲貴君っ!」
待ってましたっ。
「ずっと寝てたんだな」
そんな寝てたっけ…?
時計を見て数えると、1時間以上は寝ていたらしい。
「めっちゃ遅くなったから、帰ってるかと思ったのに。寝てたとはな」
咲貴君があたしの頭を撫でて笑う。
「帰んないよっ!することなかったら、寝ちゃってたっ」
「遅い時は、帰っていいんだからな?」
そう言って、咲貴君は首を傾げる。
やっぱり、優しいっ!
けど、あたしは咲貴君がどんなに遅くても待っていられる自信がある。
「咲貴君が絶対来てくれるなら、あたしどんなに遅くても帰んないっ!」
あたしが笑って言った。