意地悪王子とお姫様
「馬ー鹿」
――俺も雨芽がいるなら絶対来るけどな?
…………え?
「……んんっ…!」
咲貴君の言葉に気をとられていたら、キスされた。
さっきのは、聞き間違いなんかじゃないよね?
「ねぇ、咲貴君っ!」
「…ん?」
今日ひかるの話を聞いて、少し…というかかなり傷ついた。
けど、そのことは咲貴には内緒。
でも、そのかわりに…
「……お、お願い事っ!」
勇気をふりしぼる。
咲貴君が嫌って言うなら、無理にとは言わない。
「なんだよ、言ってみ?」
咲貴君がニヤリと笑う。