意地悪王子とお姫様
「ねぇ、妬いてるんでしょ?」
いたずらっ子のような笑顔で聞く。
「な、ななな…」
そんな改めて聞かれると恥ずかしい。
確かにあたし、妬いてる?
いや…、妬いてない。
「妬いてないっ!」
あたしは、自身を持って言った。
「ただね、ただ…心の中で思ってることはねっ?」
「うん」
咲貴君が優しく笑う。
「た、ただ……ただ」
「ただ?」
「だからっ…、ただー…」
「…なんだよ?」
「咲貴君が他の女の子となんかしてるのが嫌なだけっ!!」
すごい早口で言った、あたし。