意地悪王子とお姫様
6.Jealousy
―――――――………
「…………ほら、雨芽」
ひかるが指差す。
「わかってる。わかってるもん」
そう言って、あたしは俯いた。
ひかるが指差す先には、咲貴君がまた女の子とゴタゴタなっていた。
結局、昨日のお願い事もまともに聞いてくれなかったし…。
あたしが、どうこう言える立場じゃないんだけどね。
「どーせ、雨芽もあんな風になるんじゃねーの?」
啓が不機嫌そうに言う。
「なんないっ!!」
あたしは、俯いて首を振った。
「いや、なるな」
「あんま言い過ぎると、雨芽泣くよ」
ひかるが横目で啓を見て言う。
「あたし、別にいい。咲貴君があのままでも別にいい」
「はっきり言うけど、その考え方どうかしてるよ?」
ひかるが言った。