意地悪王子とお姫様

「好きな人が他の色んな女と、いちゃついてるんだよ？

どうも思わないわけ？」


「嫌だよ」



「だけど、それでも別にいいって言ったじゃん。

本当に好きなら、別にいいなんて言わない。

このままじゃ嫌だって思うはずでしょ？」


「…思ってるもん」


思ってるけど……


「じゃあ、なんで別にいいとか…、」


「あたしだって、あたしなりに考えてるんだってば！」



あたしがそう言うとひかると啓は、物凄く驚いた顔をする。


普段こんなムキになることは、ないからだ。



「なんか、ごめんね…」



ひかるが言ってることは、正しい。


けど、あたしの気持ちにだって偽りはないよ？


スッゴく好きで好きすぎて、嫌われたくないから臆病になってしまう。