意地悪王子とお姫様
▽勘違い
―――――――――………
「ねえ、誰なの?お願い、教えてっ!」
「そんな俺に聞かれても…」
巧君は、困った顔をする。
――好きな奴ができた
咲貴君、確かにそう言ったもん。
つい、あたしだと思い込んでしまったけど…あの後言われたんだ。
『自惚れすぎも、注意しろよ?』
酷くない!!?
「一番の友達とか、自分でほざいてたくせにーっ!!」
あたしが大声で叫ぶ。
「なんだよ、そんな怒んなくてもいーじゃんかっ!!」
巧君も負けじと叫ぶ。
「役立たず役立たず役立たずー!!」
「雨芽、うるせーよ」
むっ…。
あたしの横で寝ていた咲貴君が機嫌悪そうに言う。