意地悪王子とお姫様
▽泣き顔
「……ちっ…」
咲貴君が不機嫌な顔をして、あたしから離れる。
「ほら」
それから手を差し出されて、あたしも起き上がった。
「…最近、よく授業サボるなと思ったら、何してんだよ」
啓があたしに言う。
確かにあたしは、咲貴君とサボることが多くなっていた。
「なにって…」
「この前、考えるって言ったよな?それで、これはなんだよ」
そっちこそ、[これ]ってなに?
いけないの?こうなっちゃダメなの?
「考えたよ。だから、ちゃんと咲貴君に話したもん」
「なにを話したんだよ」
「…だから、他の女の子と…。そしたら、もう縁切ってたし…」
「は?」
啓が馬鹿にしたように言う。