意地悪王子とお姫様
好きすぎて怖い。
ハマりすぎて抜け出せなくなりそう。
「……ゃっ…」
「嫌じゃないくせに」
あたしの首筋に口づけをする。
「…んっ…」
「またこんなことしてたら、あいつ怒るかもよ?」
そんなことを言いながら、咲貴君はキスを止めない。
「……いいもん…。あんな奴、知らない」
また涙出てきた。
「…そんな辛い?」
咲貴君は、あたしの涙を拭いてくれる。
「……辛くないよっ…」
そう言うのが精一杯だった。
辛いって言ってしまったら、咲貴君が離れていきそうで怖かった。
「雨芽がそんな俺のこと好きなら、俺も悪いよな?」
咲貴君は笑う。