意地悪王子とお姫様


「雨芽、行くのかよ?」


啓がキレた口調で言う。


さすがにあたしが言い出したしね…。


「行かないよ」


咲貴君が気になって仕方なかったけど、我慢することにした。


「お前いつから、あいつとあんな仲良くなったんだっつの」


啓もまた機嫌悪くなってきたし…。



「…啓って……」


あたしが言うと啓が立ち止まってあたしを見た。


「なに?」


「…あ、あたしが…好きなの…?」


自分でこんなこと聞くなんて、どうかしてる。


けど、こうでもしないとあのキスは謎のままだから。



「…馬鹿言うなよ」


「…は、い?」


「俺がお前のこと好きなはずないだろ!」


「………は……?」


あたしは、唖然としてしまった。

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