意地悪王子とお姫様
「雨芽?」
幸せすぎて怖い。
こんな気持ちになったの初めてだった。
ボーっとするあたしの頭を大好きな人が撫でてくれる。
一目惚れで、突然告っちゃったりして。
アドレス聞くだけで、あんなに必死だったのに。
今は、こんなにも近くにいてあたしだけに笑ってくれる。
「…ずっと、咲貴君の隣にいれたらいいのに」
「なにそれ」
咲貴君は、口を尖らして言う。
な ぜ !?
「隣にいたいって言えよ?ただの願いなら叶わねーぞ」
「いたい!ずっと一緒にいたいよ」
あたしがすぐにそう言うと、大好きな笑顔を向けてくれた。
「ずっと一緒にいさせてやるって」
優しいキスをしてくれる。
咲貴君は、今まで色んな子とこういうことしてきたのかもしれないけど。
きっと、こんな優しいキスをくれるのはあたしだけだなんて思った。