意地悪王子とお姫様
▽恨み?
―――――――――……………
咲貴君は、こんなに格好いい。
非がない整った顔、王子様スマイルなんて極上に格好いい。
そう、イケメンなのだ。
「もう、やめよっか」
「…なにが?」
いつもの放課後。
咲貴君があたしを抱きしめて言った。
「禁断の恋ってやつ?」
「………へ?」
やっ…やめる?
すぐに目の前が霞んできた、あたし。
「…また、すぐ泣く…。俺は、こそこそするのが嫌になったわけ」
―――わかる?
「…わかんないよ」
なんだか悲しくなって、ぎゅっと抱きつくと咲貴君は嬉しそうに笑う。
「…俺、あいつ嫌いになった」
「…誰…?」
もー、意味分かんないよー…。