意地悪王子とお姫様
▽危険
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「ねぇ、ちょっとぐらい離れたら?」
ひかるが不機嫌な顔をして言った。
「無理」
咲貴君は、笑いもしないで即却下する。
「あんたのせいで、私と雨芽の時間が減るじゃんっ!!」
「そのおかげで俺と雨芽の時間が増えるじゃん」
そう言って、あたしに笑いかける咲貴君。
あたしも笑ってかえした。
昼食時間。
咲貴君は、もちろんあたしと食べるつもりで巧君に断ったらしく…。
けど、あたしはひかるに断ることができなかったのだ。
席が4つあって、あたしとひかるは向かいあっている。
そして、あたしの隣はもちろん咲貴君で…。
「じゃあ、聞くけど。啓は、なに?」
咲貴君が言った。
そう、なぜかひかるの隣にはウザ絡み野郎がいるのだ。