意地悪王子とお姫様
「ひかるの付き添い」
「……ふーん」
咲貴君は、すました顔をする。
「……お前、本気かよ?」
啓がご飯を頬張りながら聞く。
「またその話?」
咲貴君が呆れた顔をするのも仕方ない。
会う度にそればっかりだから。
「本気だってば。教室でキスするぐらい本気」
「もうー…」
咲貴君は、なぜ平然とそういうことが言えるんだ。
「俺は、認めないからなっ!」
「どーぞ、ご勝手に」
そう言って、咲貴君は食べ終えた。
「雨芽、今度俺とっ…」
「無理無理」
咲貴君が手をひらひらさせて言う。
この二人…仲直りしたのか、してないのか分からない…。
あたしは、黙って黙々とご飯を食べていた。