意地悪王子とお姫様
「……………」
今日は、久しぶりに授業をサボって屋上でのんびりしていた。
けど、あたしがこんな感じだから咲貴君も何も言わない。
ただ時間だけが流れていく。
「……ねぇ、咲貴君」
隣で寝転んでいる咲貴君に言った。
「ん?」
「…あたしのこと好き?」
最近、こんなことの繰り返し。
「あぁ、好きだよ」
咲貴君は、優しく笑ってくれる。
それを聞いてホッとする、あたし。
最近、1日に1回はこういうことを聞く。
けど、何回聞いても咲貴君は呆れないで優しく答えてくれるんだ。
でも、嫌がらせを思い出す度に不安になる。
『遊び』 『捨てられる』
そんなはずないと思いながらも、どこかで不安な自分がいた。