意地悪王子とお姫様
9.You and me
―――――――――――………
「なんか入ってた?」
「……うーん」
いつもの朝。
あたしが席に着くと咲貴君が言う。
「ほら、貸せよ」
あたしが机の中に入っていた紙くずを渡す。
咲貴君は、中身も見ないでもっとぐちゃぐちゃにした。
「本当、つまんねーこといつまでもやるもんだな」
そう言って、紙くずを投げた。
「おぉっ…」
綺麗にゴミ箱に入ってあたしは感動する。
昨日の咲貴君が言ってくれた言葉を聞いて。
あたしの不安は、全てなくなった。
この紙くずを見ても、どうも思わないぐらい。
あたしは、今幸せでいっぱいなんだ。