意地悪王子とお姫様
「…幸せそー」
ひかるが頬杖をつき、あたしと咲貴君を横目で見る。
「おかげさまで」
咲貴君は笑いもせず答えた。
「黒木、無愛想になったよね」
ひかるがムッとして言う。
「雨芽にしか興味ないから」
そう言って、あたしに優しく笑いかける。
思わず笑顔になってしまった。
―――バシッ
「いったぁ!」
なんなの、いきなりー!
突然、頭を叩かれた。
「…おいおい!今日転入生が来るんだってよ!」
あたしが痛がってるのを無視して啓が言う。
「…ほんとっ!?」
ひかるは、目を輝かせた。
「……ふーん」
咲貴君は、興味ないらしい。
「女の子だといいなぁ」
あたしが言った。