意地悪王子とお姫様
「自分の立場、わきまえるか自覚したら?」
目の前で顔を真っ赤にしてキレてる先輩。
不覚にも、馬鹿みたいと思ってしまった。
そのことが顔にでてたのかも。
「咲貴がついてるからって、調子のってんじゃねーよっ!!」
―――バンっ!!
先輩があたしのカバンを奪って投げた。
カバンの中身が飛び出て散乱する。
あたしは、唖然としてしまった。
「聞いてんのかよ!?」
手を思いっきり振り上げた。
―――殴られるっ…!!
ギュッと目を瞑った。
「……きゃっ!!」
―――ドン
けど、目を開けると先輩が倒れ込んでいた。
「なにしてんだよっ!!」
要君だった。