意地悪王子とお姫様


「自分の立場、わきまえるか自覚したら?」


目の前で顔を真っ赤にしてキレてる先輩。



不覚にも、馬鹿みたいと思ってしまった。

そのことが顔にでてたのかも。




「咲貴がついてるからって、調子のってんじゃねーよっ!!」



―――バンっ!!


先輩があたしのカバンを奪って投げた。


カバンの中身が飛び出て散乱する。

あたしは、唖然としてしまった。



「聞いてんのかよ!?」



手を思いっきり振り上げた。



―――殴られるっ…!!



ギュッと目を瞑った。




「……きゃっ!!」



―――ドン



けど、目を開けると先輩が倒れ込んでいた。



「なにしてんだよっ!!」



要君だった。


< 249 / 275 >

この作品をシェア

pagetop