意地悪王子とお姫様
「…なんで、雨芽があんなことになってるの?」
「……ぅん」
結局は、要君と帰っていた。
先輩達は、あのあとまたすぐ逃げ出した。
「雨芽の彼氏が関係してるんだろ」
要君は、見透かしたように言う。
「……いいの」
「なにがいいんだよ。あんな事されて!」
「……咲貴君は、あたしだけを好きでいてくれてるからいいんだ」
「だからって…」
「それに今、喧嘩中だし…。迷惑ばっかかけたくないしねっ…」
苦笑いで言った。
「俺のせいだよな…?」
要君が俯く。
「俺が雨芽にいきなり告白したり、めちゃくちゃなことしたから…」
「違うよ。あたしがいけないの…。
咲貴君がいるのに…ちゃんと断らなかったからっ…」