意地悪王子とお姫様
「俺、ずっと雨芽が好きだったんだよ?」
「…う、嘘だぁ…」
あたしは、口をパクパクさせて訴える。
「雨芽の笑顔に惹かれたんだ!」
ねぇ、あたしもだよ…?
最初は、信じがたかった。
けど、要君は顔を真っ赤にして必死に言ってくれてたんだ。
「……嬉しい…」
あたしは、思わず呟いた。
「付き合ってくれるの!?」
要君の顔が一気に笑顔になる。
あたしは、何度も頷いた。
「やったっ…!」
とっても嬉しそうに笑う、要君。
本当に太陽みたい。
今日から、この人の彼女なんだと思うと自分も嬉しくて仕方なかった。
中学1年が終わろうとしていた頃。
あたしと要君は、付き合うことになった。