意地悪王子とお姫様
▽迷い
もう見ることはないと思ってた、要君の笑顔。
なのに今は、すぐ目の前で見ることができて。
正直、あたしは混乱していた。
――――――――――……………
「雨芽…?」
「…………はぁ…。」
昨日、色々有りすぎて疲れてしまった。
「無理しないでね?」
そんなあたしを分かってくれてる、ひかるの優しさだけが救いだった。
要君からの突然の告白は、返事をすることができなかった。
断らなきゃって思ったし、真っ先に咲貴君の顔が浮かんだ。
けど…、やっぱりあたしは要君の笑顔に弱いらしい。
咲貴君とも、もちろん喋ってないし…。
むしろ、昨日よりキレてる気が…。
「仲直りしなよ…?」
分かってる。分かってるんだ。